幻のブドウを使って「ちちぶ山ルビーサイダー」開発

「ちちぶ山ルビーサイダー」を紹介する内田善之さん HP

埼玉県西部の中山間地域に位置する秩父地域には、地域のみで栽培されるブドウ「ちちぶ山ルビー」があります。

秩父市黒谷にある観光ブドウ農園「やまねぶどう園」を営む内田さんは、生産量が少なく、市場にあまり出回らないため「幻のブドウ」とも呼ばれる、ちちぶ山ルビーを使った「ちちぶ山ルビーサイダー」を開発し、販売しています。

ちちぶ山ルビーの甘味と風味、サイダーののどごしが爽やかで、購入者からは「ちちぶ山ルビーのサイダーがあるのにはビックリした。サイダーでもとてもおいしい」と好評です。暑い日にもピッタリで、ちちぶ山ルビーをいつでも味わえます。

 

同園では、販売品質の低下を防ぐため、裂果(れっか)したものや色づき、形の良くないブドウは販売しません。昨年の平成29年7月下旬から続いた長雨の影響から、裂果したブドウが多かったため、サイダーを開発しました。

生で販売出来ないちちぶ山ルビーを使いロスも減らせ、観光農園が終わってからの販路の確保、ちちぶ山ルビーのPRや地域農園への誘致にも繋げられます。

同園で栽培したちちぶ山ルビーを小鹿野町の㈱大平戸農園に持ち込んでジュースにし、それを同町の㈲戸田乳業に委託をして、2000本のサイダーを製造。今年の4月から、200ml入り300円(税込)で、同園の直売所や道の駅みなの皆野農産物直売所JAちちぶミルクハウスなどで販売しています。

 

ちちぶ山ルビーは、「リザマート」と「ピアレス」を両親に持ちます。種無しで皮ごと食べられ、平均糖度が17度以上あり、楕円で細長くきれいな鮮紅色(ルビー色)の果実が特徴です。栽培には高い技術と細かな管理が求められます。毎年8月中旬(今年は上旬)から9月上旬まで販売され、甘く濃厚な味わいと食べやすさから、幅広い世代から支持を得ています。

同園は、秩父ぶどう組合連絡協議会に所属し、約1haの圃場で、家族や従業員6人がシャインマスカットやバイオレットキング、マイハートなど、10種類以上のブドウを栽培。内、40aで地域最多の約1万2千房のちちぶ山ルビーを栽培します。

今年もサイダー用のブドウを確保し、継続して製造する予定です。サイダーの他にも生産量は少ないですが、加工品のレアレーズンの生産もします。

内田さんは「ちちぶ山ルビーの販売期間は短い。生で食べてもらえるのが一番良いが、期間外にもサイダーでぜひ味わってほしい」と話します。

 

ちちぶ山ルビーサイダー

ちちぶ山ルビーサイダー

 

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ちちぶ山ルビー

ちちぶ山ルビー