幻の芋「中津川いも」の試験栽培に手応え

掘り取り調査をするJA職員らHP

秩父地域は県西部の中山間地域に位置し、地域は平坦で広い圃場が少なく、地域特有の傾斜で1圃場あたりの農地面積の狭い圃場が多くあります。

JAちちぶは、地域の特色を活かした新たな特産農産物の生産を目指し、地域の各農家らと協力をし、「中津川いも」の試験栽培をしました。

 

今年の3月中旬に植付けをした芋を平成30年6月18・19日にJA職員らは、試験栽培をした各圃場を巡回して掘り取り調査をしました。

各圃場のデータを統合した結果、病虫害の被害もほとんどなく、約9割が100g未満で生産ができ、新たな特産農産物に向けて手応えを得ました。残りの大きくなった芋は翌年の種芋にする予定です。

 

中津川いもは、小ぶりで赤みを帯びたジャガイモで、皮がパリッとし、皮ごと食べられます。食感は歯ごたえがあり、煮物や蒸かしてもほとんど崩れません。カレーにもそのまま入れられ、いも田楽にしても美味しい芋です。

秩父市中津川地域を中心に、標高400~500m以上の準高冷地での栽培が望ましいとされ、標高の低い地域で栽培すると大きくなってしまい、食味が変わってしまいます。

適正地域の人口の減少や高齢化が進み栽培者も減ったため、市場にはほとんど出まわらず、地域の直売所でのみで少量買えることから、幻の芋ともされています。

中津川いもは、施肥量が少なく、栽培の手間もあまりかからないことから、高齢な生産者や準農業専従者などにも適しています。

JAの清川さんは、標高の低い地域での栽培体系を検討し、試験栽培した結果、栽培に成功。栽培管理方法をまとめ、地域農家に指導をして、地域全体での栽培を目指します。

JA女性加工部とも連携し、甘い味噌にからめた、地元の昔ながらの惣菜にして、JA管内の直売所での販売もします。

 

今期の栽培で手応えを感じたことから、来期も継続して、栽培面積を広げる予定。種芋が地域の希望者にいきわたるには2~3年かかる見込みです。

地域全体で栽培することで、種の保存と地域の特色ある農産物の生産や販売を目指します。

 

掘った芋を調査

掘った芋を調査

 

中津川いも(乾くと少し赤みを帯びます)

中津川いも(乾くと少し赤みを帯びます)

 

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