秩父産ナス「菜色美人」出荷に向けて植付け講習会

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JAちちぶ園芸部会は、平成29年5月9日、秩父市荒川の新井茄子指導部長の圃場にて、夏秋ナス植付け講習会を開き、今年度の秩父産夏秋ナスの出荷に向け、定植や栽培管理技術の確認や共有を図りました。

同部会生産者15人、JA職員や県秩父農林振興センター職員ら6人が参加しました。

新井部会長は「今年は、寒暖の差が激しい天候が続いている。体調管理をしっかりして、良質なナスを栽培し、多く出荷してほしい」などと激励しました。

同センターの赤羽技術普及担当部長からは、夏秋ナスの育苗期灌注(かんちゅう)処理について、資料を基に説明がありました。育苗期灌注処理の薬剤として、「プレバソンフロアブル5」「ベリマークSC」「モベントフロアブル」が紹介されました。処理の特徴として、広範囲な害虫に効き、残効期間が3週間~1ヵ月と長い。天敵や訪花昆虫への影響が少なく、処理が灌水と同様にできるため、省力的です。

注意点として、遅効的なため、虫がつく前の定植3日前が望ましいです。「プレバソンフロアブル5」「ベリマークSC」は、処理時に培土の水分が少ないと効果が劣ります。「モベントフロアブル」は、成分が吸収されるよう、灌水直後を避け、植物全体にもかけます(灌水代わりになる)。成虫や卵に効果がないため、効果のある薬剤と体系処理します。

センターの山内技師は「これから暑くなってくるので、農作業中は水分や塩分を補給するなど、熱中症に気を付けて欲しい」などと注意を呼びかけました。

 

JAの清川さんは、「定植後は、活着するまで、毎日の灌水をする。管理がしやすいように、花の軸は通路側(作業側)に向ける。ホルモン処理は、最低気温が15℃以上になる、6月上旬に行う。褐紋病やアブラムシ類、ハダニ類など、病害虫の早期の対策、防除の徹底を図ってほしい。」など定植から栽培管理について説明をしました。

 

新井指導部長は、圃場で、定植作業の実演を行い、部会員らと技術の共有を図り、今年度の良質な秩父産ナスの栽培を目指します。

 

同部会の主力農産物の一つであるナスは、平成20年よりJA全農さいたまブランドの「菜色美人(さいしょくびじん)」として東京市場に出荷し、品質の高さや規格の統一性が好評です。毎年、植付け時期の植付け講習会、出荷初期や中間に出荷目揃え会や現地検討会、共進会などを開き、生産者全体の底上げを図ります。

秩父産ナス「菜色美人」は、6月中旬から出荷される予定です。

 

植えつけたナス苗

植えつけたナス苗

 

秩父産「菜色美人」

秩父産「菜色美人」