ボカシ肥料作りで地域農業の活性化

切り返し作業をする支部員

JA園芸部会両神支部は、2月1日、秩父郡小鹿野町「ぼかしの里両神共同ハウス」にて、同支部員8人、小鹿野町役場職員1人が参加し、ボカシ肥料の切り返し作業を行ないました。完成したボカシ肥料約2tは、1袋当たり約17kgに詰め、同町役場産業観光課を通して販売しました。

同町の各農産物直売所では、ボカシ肥料を取り入れる生産者の野菜を指名買いしている人が多くみられます。同支部では、切り返しなどの重労働でボカシ肥料を導入できない高齢者世帯や小規模生産者に代わって、自らのボカシ肥料作りとは別に、1月・2月・7月の年3回、約6トンを毎年同町の助成を受けて作り、安価で提供しています。毎回全て売切れてしまうほど好評です。

ボカシ肥料とは、有機肥料などを微生物によって発酵させたもので、窒素分の豊富な肥料が出来上がります。植物が吸収して効率良く使えるアミノ酸として、取り込むことも期待でき、即効性があり、効率の良い資材と言えます。

 

今回使用した材料には、一般的なものを使いました。工程は、①ゼオライト1t、大豆粕260kg、菜種粕260kg、カニ殻180kg、こぬか330kgを広げます。②菌の栄養剤となる砂糖2kgと片栗粉1kgを約40度の温湯で混ぜたものを発酵促進剤のバイムフード(酵母菌)2kgに混ぜ合わせます。③②を全体の表面に広げ、散水しながら切り返します。切り返し作業は発酵菌のバイムフードが好気性菌のため、温度調節に加えて酸素供給の意味合いも持ちます。④その後、湯たんぽを入れて人為的に熱を発生させ、毛布で覆い、温度が上昇するまで4日ほど寝かせます。⑤50度以上60度以下を保ちながら再度約8日間毎日切り返しをします。⑥その後、乾燥させて発酵を止め、購入者が畑に施肥してから発酵が活発になるよう管理します。

 

新井正夫部会長は「直売所への出荷者には、使いたいが高齢などの理由で、作れない人も多い。代わってボカシ肥料を共同で作り、提供することで、直売所の農産物の品質向上につなげ、地域農業の活性化にこれからも貢献していきたい」などと話しました。

毛布で覆う支部員

毛布で覆う支部員