今年度初出荷に向けて、春蚕稚蚕共同飼育

給餌をするJA職員ら タテHP

JAちちぶ養蚕部会は、平成30年5月11日から20日まで、埼玉県農林総合研究センター秩父試験地内の稚蚕飼育場で、春蚕稚蚕共同飼育を行いました。

今年度の初出荷にむけて、秩父地域の養蚕業が活気づきます。

宮﨑部会長は「今年は、3月から急に暖かくなり、桑の成長が早い。こんなに早いのは初めてだ。このままの気候でいけば、丈夫な蚕が飼育できる。」と期待します。

今年度は初めての試みで、春蚕期(しゅんさんき)に「いろどり」繭と白繭の2種を同時に稚蚕共同飼育し、配蚕します。

飼育には、部会員やJA職員、NOSAI埼玉職員ら9人が参加。繭の出荷に向けて、準備が行なわれました。

 

2齢期までの稚蚕は体が小さく、弱いので温度や湿度の飼育管理を徹底し、病気にならないよう、清潔な環境で飼育しなければなりません。そのため飼育が大変な稚蚕期を共同で飼育します。

 

作業は、初日の11日に施設内の消毒などの掃立(はきたて)作業の準備を行います。

12日から蚕室内にて、蚕箔(さんぱく)に蚕座紙(さんざし)・防乾紙を敷き、その上に卵を植え付けた「蚕種の枠」を開いて置きます。その上に自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料「くわのはな」を与え、鳥の羽で掃いて整える作業を行います。眠中(脱皮中)以外には毎日給餌し、20日に2齢になった蚕を各農家に配蚕(はいさん)しました。

今期の配蚕量は、いろどりを11箱、白繭を6箱(各1箱約27000粒)です。配蚕された蚕は、5齢で上蔟(じょうぞく)、収繭して出荷します。

 

秩父地域は、古くから養蚕が盛んで、現在も地域の重要な作目の一つです。しかし、高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が減少しています。県産ブランドで秩父限定品種の「いろどり」繭で、他産地との差別化した繭生産と産地の活性化を図ります。「いろどり」繭は、フラボノイド色素を含む笹繭で、淡い黄緑色が特徴。白繭に比べ、こしやはりがあります。

同部会では今年度、いろどりを春蚕期の1回、白繭を春蚕期・夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期の4回。全4回の出荷を計画します。春蚕期のいろどりと白繭の出荷は、6月中旬の予定です。

 

羽で優しく稚蚕を中央に整えます

羽で優しく稚蚕を中央に整えます

 

自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料の給餌

自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料の給餌

 

自動給餌機でばらけた餌を整えて、足りない所に手で給餌

自動給餌機でばらけた餌を整えて、足りない所に手で給餌

 

稚蚕

稚蚕

 

稚蚕

稚蚕