夏蚕期の稚蚕共同飼育

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JAちちぶ養蚕部会は、平成28年6月22日から7月1日、県農林総合研究センター秩父試験地内の稚蚕飼育場にて、夏蚕期(かさんき)の稚蚕共同飼育を部会員、JA職員などが行いました。春蚕期(しゅんさんき)の秩父限定品種「いろどり繭」の出荷を終え、夏蚕期の「白繭」の出荷に向けての準備が行なわれました。「白繭」の蚕は「いろどり」に比べ少し大きいです。

1齢から2齢期の稚蚕は体が小さく、弱いので温度や湿度の飼育管理をしっかりし、病気にならないように清潔な環境で飼育しなければなりません。そのため飼育が大変な稚蚕期を共同で飼育します。

作業は、初日に消毒等の掃立作業の準備を行い、23日より蚕室内にて、蚕箔(さんぱく)に蚕座紙(さんざし)・防乾紙を敷き、その上に卵を植え付けた「蚕種の枠」を開いて置き、その上に自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料「くわのはな」を与え、鳥の羽で掃いて整える作業が行われます。その後は、眠中(脱皮中)以外には毎日給餌し、1日に2齢になった蚕を各農家に配蚕(はいさん)しました。今期の配蚕量は、15箱(1箱約27000粒)です。配蚕された蚕は、5齢で上蔟(じょうぞく)、その後収繭(しゅうけん)し、出荷となります。

秩父地域は、古くから養蚕が盛んで、現在も地域の重要な作目として位置付けられています。しかし、高齢化や担手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が年々減少しています。

同部会では今年度、「いろどり繭」は春蚕期の1回、白繭を夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期の年3回の計4回を計画します。

 

稚蚕

稚蚕