天候不順に負けず「ちちぶ山ルビー」栽培

ちちぶ山ルビーを収穫する福島邦征さんHP

秩父地域には、幻のブドウとも称される、秩父限定品種「ちちぶ山ルビー」が栽培されています。

長瀞町の福島園の福島さんは、約4,500房の「ちちぶ山ルビー」を栽培しています。

今年は、7月下旬から雨天や曇天が続き、日照不足の影響から山ルビーの着色が例年より1週間遅れています。

福島さんは「日照不足で着色や糖度ののりが遅いものの、管理の徹底をして果実は良いできに仕上がっている。お客さんには、着色の進んでいるものから販売して対応している」などと話しました。

同園では、約30aの圃場で山ルビーのほか、シャインマスカットやピオーネ、巨峰など7種類を栽培します。秩父地域でもほとんどやっていない、山ルビーのぶどう狩りも楽しめます。園内には農業用の白い反射シートを敷き、光の反射を利用して果実の品質向上を促します。また、雑草の防除にもなり、園内も明るく、足元も安定して歩きやすいと来園者からも好評です。

8月21日に開園し、売店での販売のほか配送にも対応します。例年通りですと山ルビーは、9月上旬には売り切れ、9月末まで開園します。

山ルビーは、欧州系の高級品種「リザマート」と、香りと食味に優れた米国系品種「ピアレス」を両親に持ちます。皮ごと食べられ、平均糖度が17度以上あり、楕円で細長くきれいな鮮紅色(ルビー色)の果実が特徴です。栽培には高い技術と細かな管理が求められます。市場にほとんど出まわらず、生産量が少ないことから幻のブドウとも呼ばれています。

秩父ぶどう組合連絡協議会の数名が、県外生産者との交流の中で、山梨県の農家が育成した同品種を試験的に栽培。平成16年頃から「山ピンク(仮称)」などの名称で試験的に少量販売しました。好評だったことから秩父の特産品の一つにしようと正式に山梨県の農家(育成家)と同協議会及びJAちちぶが契約。名称は公募した中から決定し、商標登録しました。同協議会員のみが栽培でき、現在52農園のうち30農園が栽培と販売をし、今年は全体で約66,000房を栽培しています。

8月中旬より販売が始まり、価格は1kg2千円前後です。今年は地域全体での「ちちぶ山ルビー」の販売は、9月中旬まで販売予定(天候などにより前後します)。予約すると購入しやすいです。

 

ちちぶ山ルビー

ちちぶ山ルビー