秩父産ナス平成29年度栽培・出荷に向けて講習会を開催

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JAちちぶ園芸部会は、平成29年2月20日、小鹿野町のJA小鹿野支店会議室にて、平成29年度栽培講習会を開きました。

部会員、JA職員、県秩父農林振興センター職員ら18人が参加し、平成29年度のナスの栽培にむけて、意識の統一や品質の向上、出荷量の増大に向けて話しあいました。

新井正夫部会長は「土づくりが基礎となるので、基本に戻り、講習会で学んだことを実践し、良質なナスを多く出荷してほしい」などと話しました。

 

同センターの佐藤拓也さんからは、資料を基に、自家育苗の作業や管理。圃場の準備と定植などについて説明がありました。

育苗は、病害虫の発生を防ぐため、ハウス内の雑草の除去などの育苗環境を整備します。鉢上げ直後は、やや高めにハウス内の温度を設定します。基本は、昼間25℃、夜間15℃を目標に管理します。定植の10日前からは、温度を徐々に下げ、定植後の環境に順化させます。かん水管理も徹底します。

佐藤さんは「夏秋ナス栽培は良質な苗を確保し植え傷みさせず、活着させることが大切だ。購入苗を使う場合は、到着後すぐに定植せず、順化させてから定植することで、植え傷みを軽減できる。圃場の環境条件を良好に整えておくことも重要だ」と話しました。

 

JA営農経済部の清川完司さんからは、夏秋ナスの育苗管理指針や栽培管理指針(定植以降)について、説明がありました。圃場準備として、土づくりの施肥設計には、窒素、リン酸、カリの有効な施肥成分量を把握することが大切です。

管理のポイントとして、前期管理では、定植やかん水、ホルモン処理、ソルゴー障壁(天敵利用による防除)、枝の管理。中期管理では、ボケナス対策や樹勢判断による追肥。後期管理では、整枝・摘葉・誘引の手順、V字仕立ての形を意識しての整枝や剪定などの詳しい説明がありました。

 

同部会のナスは、平成20年よりJA全農さいたまブランドの「菜色美人(さいしょくびじん)」として東京市場に出荷し、品質の高さや規格の統一性が好評です。毎年、植付け時期の植付け講習会、出荷初期や中間に出荷規格講習会や現地検討会、共進会などを開き、生産者全体の底上げを図ります