風味のある新茶を委託加工

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JAちちぶでは、同JA秩父西支店敷地内にある秩父製茶工場にて、地域の茶生産者を対象に、5月17日から6月2日まで、茶葉の委託加工を受けいれました。今年は凍霜害と干ばつの影響で茶葉の生育が遅くなりました。その為、5月30日までの予定だった受け入れを、6月2日まで延長して生産者に対応しました。

委託加工は約38年前に特産物生産団地育成事業の一環で、山間地での茶生産をするにあたり、個人では購入の難しい機械を購入したのが始まりです。

工場には蒸し機や粗揉機など8種類の機械が並び、工程は多くの段階を踏みます。加工作業は、生葉を蒸して裁断し、冷却します。数種の機械で乾燥させ、こねる作業を繰り返し、乾燥させた状態を「荒茶」といい、そこから火入れをして「製茶」が完成します。

秩父地域の茶は、山間地で生産している農家も多くあります。昼夜の寒暖差が高く、霧も多く発生することで、渋みがあり、風味の良い茶ができます。

JAでは、数カ所で製茶工場を操業していたが、生産者の減少や原油高の影響などで、現在1カ所のみで加工しています。

今年の委託加工量は、生葉で約2905kgでした。

現在、地域での茶生産農家は、高齢化や担い手不足などの影響で、約300件あった農家は、約3分の1に激減しています。

工場担当者は、「今年は凍霜害の影響で、出荷量が減少してしまった。生産量は減っているが、秩父地域の特性を活かした風味のある良い茶ができる。少しでも多く、この良質な新茶をお届けしたい。」と希望を込めました。