「秩父フルーツファーム」新井さん緑白綬有功章受章

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秩父市で「秩父フルーツファーム」を経営する新井さんは、大日本農会の平成28年度(第100回)農事功績表彰者として、緑白綬有功章(複合部門)を受章しました。

新井さんは、秩父ぶどう組合連絡協議会の会長、JAちちぶいちご部会の部会員を務めます。

 

秩父農工高等学校を卒業し、県園芸試験場で1年間研修。昭和50年に就農し、ブドウ農園の経営を始めました。同地域で雨よけ栽培の早期導入。JVCに加入し、全国のブドウ農家と交流。最新技術の研究などの知識の向上を図ってきました。四倍体品種の無核化栽培に早くから取り組むとともに、多くの品種を試験栽培し、秩父に適した品種の検討にも力を入れました。大手バス会社と提携した観光客受け入れも始めました。

平成3年には、周年観光客を呼べる経営体制を目指し、観光農業としてのイチゴ栽培を導入しました。

 

同地域でいち早く、秩父限定品種「ちちぶ山ルビー(当時「山ピンク」)」を栽培。植物成長調節剤処理法の確立や適量着果、着粒について研究しました。成果は、同地域に提供し、栽培技術の高位平準化、産地化を図りました。商標登録や普及拡大にも尽力しました。

 

現在は、県農業大学校や県外からの研修生を継続的に受け入れ、担い手の育成や技術の継承に貢献。地域農業の振興と農村活性化にも尽力しています。

 

新井さんは「振り返ると就農してから、多くの方の指導を受け、早く一人前になろうと努力してきた。各関係機関の協力や支援により「秩父ぶどう」の地位を高めることができた。「ちちぶ山ルビー」が地域限定ブランドとして確立できたのは、多くの方のアイデアや生産者の熱心な技術研鑽の賜物だ。一層の精進を重ね、地域農業の発展に尽くしていきたい。」などと喜びを語りました。

 

同地域のブドウ栽培は、観光農園が主体のため、栽培品種は数多くあります。同協議会に所属する52農園の今年度の栽培面積は、約20ha。内33農園が秩父限定品種「ちちぶ山ルビー」を約2.1haで栽培しました。同協議会では、年間を通して、剪定など栽培講習会や品評会などを開き、地域全体の品質の底上げを図ります。

 

同地域のイチゴ栽培は、「やよい姫」「とちおとめ」「紅ほっぺ」「章姫」「かおり野」などを主な品種として、約6.5haで栽培します。開園時期は、1月(早い農園は12月)らはじまり、遅い農園では、初夏の6月中旬までイチゴ狩りが楽しめます。昼夜の寒暖の差が大きいため、ブドウやイチゴに甘味が乗ります。

 

ちちぶ山ルビーを収穫する新井さん

ちちぶ山ルビーを収穫する新井さん