今年度初の繭出荷にむけて蚕の生育状況確認

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JAちちぶは、平成29年6月5日、今年度初の繭出荷にむけて、秩父地域のJA養蚕部会員の飼育場を巡回し、蚕の生育状況などを確認しました。

今年は、餌となる桑の葉の状態が良く、全体的に蚕の生育は順調です。

県製糸協会会長やJA職員、NOSAI埼玉北部職員ら4人が、各飼育場を巡回しました。

 

出荷にむけて、養蚕農家からは「今年は、遅霜もなく桑の生育が良かった。蚕も順調に生育している。繭の出荷が楽しみ」などと期待の声があがりました。

蚕は、ほとんどの農家が、2齢まで稚蚕共同飼育したものを飼育。5齢で上蔟(じょうぞく)し、収繭、出荷します。

春蚕期(しゅんさんき)の繭出荷は、6月中旬の予定です。

春蚕期は、県産ブランドで秩父限定品種の「いろどり」を飼育します。出荷される「いろどり」繭は、フラボノイド色素を含む笹繭で、淡い黄緑色が特徴。白繭に比べ、こしやはりがあります。

 

同地域における養蚕業は、古くから伝統産業で、短期間で現金収入が得られる生活に欠かせない産業でした。約49年前のピーク時には、約5300戸の農家が約1500tの繭生産をしていました。現在も地域の重要な作目として位置付けられます。毎年12月3日に開かれる、日本三大曳山(ひきやま)祭りの一つ、「秩父夜祭り」も一年の最後を飾る絹の大市の付祭りが発祥ともいわれ、別名「お蚕祭り」ともいわれています。

しかし、高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が減少しています。現在は、県産ブランドで秩父限定品種の「いろどり」繭による差別化した繭生産と産地の活性化を図っています。

同部会では今年度、「いろどり」繭を春蚕期の1回、「白繭」を夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期の3回。計4回の出荷を計画します。出荷量は、昨年度の約3.2tを上回る3.5tを計画します。

 

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食欲旺盛な蚕

食欲旺盛な蚕

 

桑の葉

餌の桑の葉