今年度初の繭出荷に期待

ヨコ22

JAちちぶは、5月31日、今年度初の繭出荷にむけて、埼玉県秩父地域のJA養蚕部会員の飼育場を巡回し、蚕の生育状況などを確認しました。

JA職員や埼玉北部農業共済組合職員(NOSAI埼玉北部)ら3人が、各飼育場を巡回しました。

今年は、凍霜害の影響で餌となる桑の葉の発育が悪く、蚕の生育が心配されました。

出荷にむけて、養蚕農家の浅見幸子さんは、「今年は桑の発育が悪く、数を減らすことも検討していた。しかし、蚕も大きく順調に生育している。繭の出荷が楽しみ。」と笑みがこぼれました。

養蚕飼育所リーダーの新田恭一さんは、「ほとんどの養蚕農家の蚕がほぼ同じように生育している。春はいつも湿度が高めだが、今年はかわき気味で、コントロールしやすかった事が大きい。」と話しました。

蚕は、ほとんどの農家が、2齢まで稚蚕共同飼育したものを飼育します。5齢で上蔟(じょうぞく)し、収繭、出荷します。

例年は春蚕期(しゅんさんき)に、県産ブランドで秩父限定品種の「いろどり」を飼育していましたが、今年度は白繭を出荷します。

地域における養蚕業は、古くからの伝統産業です。毎年12月3日に開かれる、日本三大曳山(ひきやま)祭りの一つ、「秩父夜祭り」も一年の最後を飾る絹の大市の付祭りが発祥ともいわれ、別名「お蚕祭り」ともいわれています。

しかし、高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が減少しています。現在は、県産ブランドで秩父限定品種の「いろどり」繭による差別化した繭生産と産地の活性化を図っています。

同部会では今年度、春蚕期・夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期の計4回の出荷を計画しています。春蚕期の繭出荷は、6月中旬の予定です。